逆板とは、鎧の背面、ちょうど心臓のあたりに取り付けられた板で、
紐を引っ張りあげると、上下に動くようになっています。
その紐は、総角(あげまき)といい、装飾的に結ばれ、美しい房がついています。
奉納鎧 消し白 背面
奉納鎧 浅葱 背面
逆板と総角の役割は、三つあります。
まず、袖の調節機能。腕を上げるきは、スムーズに総角とともに
持ち上がり、腕を下ろせば、重みで降りてきます。
その際、総角の紐により、大袖も身体に寄り添わせる役目を果たします。
二つ目は、心臓を後ろから守ります。
最後に、後姿を美しく見せる役目です。
本物の鎧には、必ず付いているものです。
総角を引っ張りあげたところです。
逆板が上がってきます。
《 参考 》 具足ですと、逆板はありません。
紐を引っ張っても、背中に直接取り付けられているため、当然上がってきません。
また、大袖につながっていないので、調節機能もありません。
《 参考 》 こちらの背面には、なにも付いていません。
きれいな上に、こんな機能があったなんて、
昔の人の知恵には、本当に感心してしまいます。
忠実に再現された鎧をぜひ、その目でお確かめください。
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