人形の天世 浜松店 よろず話

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背面  逆板(さかいた)・総角(あげまき)




逆板とは、鎧の背面、ちょうど心臓のあたりに取り付けられた板で、

紐を引っ張りあげると、上下に動くようになっています。


その紐は、総角(あげまき)といい、装飾的に結ばれ、美しい房がついています。


背面  逆板(さかいた)・総角(あげまき)
奉納鎧 消し白 背面

背面  逆板(さかいた)・総角(あげまき)
奉納鎧 浅葱 背面



逆板と総角の役割は、三つあります。


まず、袖の調節機能。腕を上げるきは、スムーズに総角とともに

持ち上がり、腕を下ろせば、重みで降りてきます。

その際、総角の紐により、大袖も身体に寄り添わせる役目を果たします。


二つ目は、心臓を後ろから守ります。


最後に、後姿を美しく見せる役目です。



本物の鎧には、必ず付いているものです。




背面  逆板(さかいた)・総角(あげまき)
総角を引っ張りあげたところです。

逆板が上がってきます。


背面  逆板(さかいた)・総角(あげまき)
《 参考 》 具足ですと、逆板はありません。

紐を引っ張っても、背中に直接取り付けられているため、当然上がってきません。

また、大袖につながっていないので、調節機能もありません。


背面  逆板(さかいた)・総角(あげまき)
《 参考 》 こちらの背面には、なにも付いていません。





きれいな上に、こんな機能があったなんて、

昔の人の知恵には、本当に感心してしまいます。



忠実に再現された鎧をぜひ、その目でお確かめください。




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